上西星来、初共演の土屋神葉は「ちょっと天然…なのかなって(笑)」<Interview>

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上西星来、初共演の土屋神葉は「ちょっと天然…なのかなって(笑)」<Interview>

2018年の5月から6月にかけて上演されたFUKAIPRODUCE羽衣の『春母夏母秋母冬母』が、約2年ぶりに復活。2020年2月13日(木)~19日(水)まで東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて再演される。

【写真を見る】にっこりピースを決める土屋神葉&上西星来

前作同様、糸井幸之介が作・演出・音楽を担当。オリジナルキャストである深井順子、森下亮に加え、俳優・声優として活躍中の土屋神葉と6人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドール(通称:TPD)の上西星来が新たにキャスティングされ、ダブルキャストを務める。

本作は、2人の男女の俳優が、母と子、恋人…時や性別を超えさまざまな役を演じながら、“愛と闇”を体現していく二人芝居。

深夜の公園で遊ぶ「こなこ」と「ユキユキ」の中学生カップル。そのシーンの中に、こなこと母、ユキユキとママの、幼年期・思春期・壮年期の物語が挟み込まれ、それぞれの「母」との関係性も描かれる。

WEBサイト「ザテレビジョン」では、今作が初共演となる土屋と上西にインタビューを実施。

母と子をはじめ、いろんな人物を演じ分けるという異色の音楽劇に挑戦する意気込みや作品の見どころ、お互いの印象などを語ってもらった。

――今回の舞台は二人芝居ですね。

土屋:糸井さんが作り上げる世界は、普通の演劇とはまたちょっと違うと言いますか、糸井さんならではのテイストが多く含まれているんです。

その作品の世界に自分が染まることができるのか。一つの課題でもありますし、心掛けるべきところなのかなと思っています。

――糸井さんならではの世界観とは?

土屋:糸井さんたちは“妙ージカル”と仰っていて、他のミュージカルとは違うし“THE演劇”と言われるものでもない。糸井さんが作り出す音楽の世界は独特で、決められた尺の中にセリフを全部入れないといけないという演出の方法も刺激的。

演じる側としてはすごく難しいんですけど、見てくださるお客さんも今までの演劇とは違う面白さを感じられると思います。

その世界観に自分がちゃんと浸れるのかどうか不安でいっぱい(笑)。でも、僕にとっては初めての挑戦ですから、ドキドキやワクワクの方が大きくてすごく楽しみにしています。

――上西さんは、オファーを受けて心境はどうですか?

上西:この前まで出演していた舞台、リーディングシアター『キオスク』(2019年12月25日~29日:東京芸術劇場、2020年1月18日・19日:兵庫県立芸術文化センターで上演)の稽古の時に、演出家の方からいろいろご指導を頂いたんですけど、なかなか思う通りにできなくて悔しい思いがあったんです。

その時には今回の二人芝居のお話も決まっていたので、稽古でうまくできなかった悔しさをリーディングシアターの本番できちんとクリアして、また新たな世界に挑戦してみたいって気合を入れました。

前回の作品を見たんですけど、普段の上西星来ではあり得ないことをやらなければいけないという覚悟をしています。

――あり得ないこととは…?

上西:歌のフレーズで「おっぱい」という言葉が出てくるんです。TPDの歌詞には絶対出てこないですから(笑)、そういうセリフを言っている自分が想像できない。役に入り込めばできると思いますけど、私の中では挑戦です。

――以前、Twitterで「今までとは全く違う壁にぶち当たることも多くなるけど、楽しんで、もがいて進んでいきたい」とつぶやいていた“壁”の一つ?

上西:『キオスク』も今回の二人芝居も、私にとっては初めての経験。何しろお芝居自体がお久しぶりなので…。

――2015年に上演された舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』以来ですから、確かに“お久しぶり”ですね。

上西:そうなんです。だからお芝居の感覚を取り戻すのが難しくて、自分にとってはどちらも高い壁。でも、これを乗り越えることができたら、また新しい自分の道が見えるのかもしれないと思っています。

■ 上西「セリフ量が多いから滑舌をよくしないと」

――現時点(取材は2019年の12月)では、役に対してどんなアプローチを?

土屋:どういう準備をすればいいのかという点が一つの課題。セリフの量が多いですし、1人で何役も演じないといけない。ある意味、落語的な使い分け、演じ分けが求められるので間の取り方も重要になってくるんです。やるべきことが多過ぎてどうすればいいのか正直戸惑っています。

上西:セリフ量が多いから滑舌をよくしないといけないですし、会場中に響くような声もちゃんと持っていたいなと。あとは、劇中で母になったり、バーの店員さんを演じたり、自分が経験していないことを表現するシーンが多いんです。

なので、もし自分が母親だったらこういう時にどう思うのか、何を言ってあげられるのか。普段からいろんなことを想像することも大事なのかなと思っています。

――セリフの量が多いという話が出ましたけど、覚えるコツはあるんですか?

土屋:僕は常に台本を持ち歩いています。以前、シェークスピアの舞台をやった時もセリフが多かったのでトイレに籠ってブツブツ声に出しながら覚えたりして、いつどんな時でも練習できるように肌身離さず台本を持っていました。

もう、最後は根性論(笑)。受験生のような気持ちで臨めばできるような気がします。

上西:大声を出してセリフを言うと覚えられます。あれは、とても不思議な感覚。それと、TPDの曲やソロ曲を覚える時は歌詞の情景を絵に描いていました。そうすると歌っている時にその絵が浮かんでくるから言葉が出てくるんです。その覚え方を習ったことがあったので実践しています。

土屋:その覚え方は面白い! 勉強になりました。僕は合唱コンクールとかで指揮者に立候補したぐらい歌詞が覚えられなくて。僕の学校は、指揮者は両手で4拍子振るだけで歌わなくて良かったので(笑)。上西さんの覚え方、自分でもちょっとやってみようかなって思います。

――お二人は初共演ですが、お互いの印象は?

土屋:話をしていく中で、上西さんが愛知県出身だということが分かり、愛知県が東海地方だということを知りました(笑)。

上西:ずっと、関西だと思っていたみたいです(笑)。

土屋:すみません(笑)。上西さんとは同い年(現在23歳)ということもあって、すごく話しやすいです。二人芝居をする上で心強い存在ですね。

上西:土屋さんは、初めてごあいさつした時にすごく優しい笑顔で迎えてくださったんです。一目で怖い人ではないと分かったので(笑)、とても安心しました。でも、話をしていくうちに、ちょっと天然…なのかなって?

土屋:ちょっと待って。“天然”の後は大体“バカ”が付くって知ってます?(笑)

上西:あ…いい意味での天然ということです(笑)。何か通じ合えるかなって。

――それは、上西さんも天然だということ?

上西:私は違います!(笑)

土屋:あ、ひどい。「私は」って何ですか(笑)。

上西:土屋さんはすごく話しやすい方です。

土屋:何かうまくごまかされたみたいですけど(笑)、ありがとうございます!

――舞台は再演ですが、オリジナルキャストの深井順子さんと森下亮さんに聞いてみたいことは?

土屋:僕が気になっていたのは森下さんの声のテンション。どの役もあまり変えている印象を持たなかったんです。声を変えずに役柄だけを変える。それで、役としての説得力があるってすごいことだなと。

僕だったら声の高さを変えたりしてしまうと思うから、声を変えずに子どもから大人、そしてお母さんや警官も演じてしまうその表現力を稽古の時に学んでみたいし、どうすればいいのかを聞いてみたいです。

上西:深井さんが演じる女性像は、子どもの頃も母になってからも芯が強いんです。それをどうやって表現したらいいのか。醸し出している雰囲気などをまねできるとは思わないですけど、どうすれば自分なりの強さを出せるのかいろいろ勉強したいです。

――TPDのメンバーに話を聞くと、上西さんは「芯が強い」という声が多かったような気がしましたけど。

上西:私がですか? それはNOです(笑)。

土屋:勝手な印象ですけど、芯が強いという部分はぴったりだなと思います。

上西:ありがとうございます(笑)。

■ 土屋「小説にのめり込んでいました」

――役の設定が少年少女から熟年までと幅広いですが、何年か前に通ってきた中学生の頃、例えば14歳の頃は何をしていましたか?

土屋:14歳って中学生ですよね。僕は部活で野球をやっている一方で小説にのめり込んでいた時期でもありました。もともと中国の歴史に興味があって、特に春秋戦国時代が好き。宮城谷昌光さんという古代中国の偉人にスポットを当てた作品を多く書かれている方の本を四六時中読んでいました。

部活をしている時も、あの小説の続きが早く読みたいと思っていたくらいハマっていましたね。

上西:私はクラシックバレエに打ち込んでいました。休みの日はバレエのお教室に通う日々。定期的に海外の先生が愛知県にいらっしゃって指導を受けたり、北海道で行われるバレエセミナーで一週間ずっとバレエの勉強をしたり、自分から親に頼んで行っていました。

――では、作品の中の母親の世代、仮に40歳くらいとして、お二人にとって「40歳」は未知の世界ですが、理想の40歳像は?

土屋:16年後かぁ、意外とすぐですね。どうですか?

上西:う~ん、何だろう。カッコいい人になっていたい。

土屋:カッコいい人とは?

上西:40歳までにお仕事でもプライベートでもいろんなことを経験して、今の私ぐらいの子たちに頼ってもらえるような存在になりたいです。自分の経験を通して的確なアドバイスができるような大人になれたらいいなと思います。

土屋:40歳っていうことは、30代を越えているわけですよね。まだ20代の僕にとっては30代も大きなステップ。しっかりとした大人にならないと困るわけなんですけど…自信がないなぁ。

――まぁ、40代でもフワフワしている人はいますから、大丈夫だと思います(笑)。

土屋:そう言っていただけると心強いです。一つの理想としては、人の親になっていたい。どういう親になれるのか分からないですけど、楽しみではあります。

――さて、2020年が始まりましたが「子(ねずみ)年」のお二人は年男と年女。今“夢チュウ”になっていることや“熱チュウ”していることはありますか?

土屋:あるドラマを見てからおいしそうな料理を見ることにハマりました。この前、日々の食費を少しずつ削って貯めたお金でホテルのディナーを食べたんです。これが、すごくおいしくて。今、ちょっとずつお金を貯めておいしいものを食べることに夢中です。

上西:私は美容のことをよく聞かれるんです。その人に合った化粧品やメーク法を教えてあげたいので、スキンケアやメーク用品などをいろいろ試すことに熱中しています。

――ちなみに、最新の美容情報は?

上西:春からはカラフルな色が流行るみたいです。どこかにポイントを置いて色を着けるのではなくて目や口、ほっぺなど、全部に違う色を使ってもいいみたいです。

土屋:へぇ~、面白いですね。

――では、最後にメッセージを!

土屋:個人的な意見なんですけど、どこか宮沢賢治の作品を見ているような感覚になるのかなと。きっと、独特の世界観を楽しんでいただけると思います。

特に親子の気持ちがすれ違うシーンは、誰もが子どもの頃に経験したことがある親に対する不満や疑問などに共感できる部分があるかもしれません。作品が織り成す空気感を大事にしながら演じていきたいです。

上西:独特の世界観という意味では、劇中で突然“宇宙”に行くんです。普通の公園という設定だったのに、気付いたら宇宙の中の公園に(笑)。急な展開でびっくりするんですけど、これがすごく面白いんです。いろいろな楽しみ方ができる舞台だと思うので、ぜひ見に来てください!

(ザテレビジョン・取材・文=月山武桜)

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