大阪・梅田の新名所「リンクス梅田」 存在際立たせた意外な戦略

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大阪・梅田の新名所「リンクス梅田」 存在際立たせた意外な戦略

 ヨドバシホールディングスが大阪市に開業した初の複合商業施設「LINKS UMEDA(リンクス梅田)」。オープンからわずか10日で来館者数が500万人を突破し、2020年初めまでに1500万人を超える見込みだ。小売り激戦区の中心にありながら、周辺施設と異なる戦略を打ち出し、街全体の回遊性を向上させたことが勝因だ。

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●都心の一等地にあえて郊外型のテナント集積

 リンクス梅田はカメラ・家電量販店の「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」に隣接し、地下1階から8階までの全フロアで連結している。両館合わせた売り場面積は約9万平方メートル。地域内で最大級の商業施設が誕生したことになる。施設コンセプトは、「つながる、ひろがる。ヨドバシカメラ&LINKSが巻き起こす新梅田ライフスタイル革命」。ファッションやインテリア、アミューズメント、食などテナントは約200店。ヨドバシカメラの客層に加え、近隣のオフィスワーカーやファミリー、インバウンド客を狙う。

 リンクス梅田館長で、リンクス梅田を運営するヨドバシ建物(東京・新宿)の五鬼上大介氏は、「これまで応えきれていなかった幅広いお客様のニーズを埋めるべくテナントを選んだ。競合するのではなく、独自路線を目指す」と話す。

 2001年に開業したヨドバシカメラマルチメディア梅田の集客力は年間約5000万人で、単独でも1000億円を稼ぐ好調店だ。リンクス梅田との2館体制での売上高は初年度で1700億円、5年後は2000億円を見込むという。ただ、周辺には阪急うめだ本店、阪神梅田本店、大丸梅田店といった大手百貨店をはじめ、働く女性に人気のファッションビル「ルクア大阪」や大人客の支持率が高い「グランフロント大阪」など、競合店が立ち並ぶ。目標達成までのハードルは予想以上に高いといえるだろう。実際、テナントの誘致に苦戦したフロアはあるが、「当店は圧倒的な品ぞろえが強み。取り扱っていない商品がないことが勝因になるはず」と、ヨドバシ建物・取締役営業部部長の安藤修一氏は強気の姿勢を見せる。

 強気の理由はリンクス梅田館内を一回りするだけで分かる。周辺施設とは明らかに異なるテナント構成と品ぞろえに徹しているからだ。都心の一等地でありながら、あえて郊外型ショッピングモールへの出店がメインだったテナントを集積してこれまで梅田になかったものをそろえ、明確なすみ分けを図ったことが集客増につながっている。

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