【昭和の名車 153】2代目ミラージュはECIターボを搭載してスポーティなイメージを高めた

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【昭和の名車 153】2代目ミラージュはECIターボを搭載してスポーティなイメージを高めた

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「三菱 ミラージュ(2代目)」だ。

【写真】リアビューやエンジン、インパネを見る(全6枚)

1983年(昭和58年)、三菱自動車はミラージュをフルモデルチェンジした。初代のスポーティなハッチバック車というコンセプトは継承しつつも、スタイリングは当時の流行を取り入れ、より先進的なものとなった。直線基調でありながらカドがなく、凹凸の少ないエッグフォルムの新鮮なエアロスタイルを追求したもので、大きな窓面積を持つ開放的なイメージが特色となった。パーキングランプとターンシグナルランプをフロントからサイドへ回りこませたブーメラン型ランプなどもユニークで、先進性を感じさせた部分となった。

エンジンはディーゼルを含めて6種類がラインアップされたが、注目されたのはサターン1600エレクトロジェットECIターボを搭載した1600GSR-Tだ。このG32B型エンジン自体は初代ミラージュから採用され好評を得ていたものだが、2代目ではそれにECI(電子式燃料噴射装置)とターボを組み合わせたのがポイントだ。今回は単にパワーを追求するというよりも、ECIと小型軽量ターボチャージャーの組み合わせで圧縮比と過給圧の最適マッチングを図ったのも特色だ。

それでも軽量ボディということもあって鋭い加速とレスポンスの良さがウリのクルマとなった。さらにターボでは高低差による空燃比変化を防止する高地補正装置や、アイドリング時の回転を安定させて始動性向上をはかるISC(アイドルスピードコントロール)などの採用で、ドライバビリティも向上させている。

トランスミッションは、1.5L直4 SOHCのG15Bエンジン搭載車には4速×2(ロー/ハイ)の切り替えができるスーパーシフトが残されたが、1600GSR-Tでは普通の5速MTの設定に改められた。またターボ車は等長ドライブシャフトを採用して、急発進時でのハンドルの取られやコーナリング時の挙動の変化を抑えている。

サスペンション形式は、フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム(U字型サスペンション)で先代と基本的には同じだ。ただし、フロントには、ロワアーム後ろ側取付部に非対称バネ特性を持たせたデュアルモードゴムブッシュを採用することで直進安定性を向上させるとともに、前方向からの入力をソフトに吸収する構造とした。さらにロワアーム本体の形状変更などにより、前輪の切れ角を大きくとり最小回転半径を小さくした(4.7m)のも特徴だ。

リアサスペンションには、アクスルステア補正のゴムブッシュの採用や、コイルスプリングを不等ピッチにして非線形特性を持たせ、操縦安定性と乗り心地を向上させている。GSR-Tには前後ともにスタビライザーを装着し、ロールを抑えたスポーティなコーナリングを可能とした。タイヤは175/70SR13だが、メーカーオプションとしてアドバンの175/70HR13や、175/60R14も選択できた。

ラリーのイメージが強い三菱だったが、「ミラージュ・カップ」というワンメイクレースを行ったことで、スポーティなイメージを作った。参加型のモータースポーツが盛り上がった時代という背景もあったが、ここから多くのトップドライバーが育っていったのも確かで、当時の若者の強い支持を得ることになった。

三菱 ミラージュ 1600GSR-T 主要諸元

・全長×全幅×全高:4005×1635×1360mm
・ホイールベース:2380mm
・車両重量:880kg
・エンジン型式・種類:G362B(ターボ)型・直4 SOHCターボ
・排気量:1597cc
・最高出力:120ps/5500rpm
・最大トルク:17.5kgm/3000rpm
・トランスミッション:5速MT
・タイヤサイズ:175/70SR13
・車両価格:136万円 Webモーターマガジン

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