めっきり使わなくなった5インチベイに俺様好みのアレをぶち込む!

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引用元:Impress Watch
めっきり使わなくなった5インチベイに俺様好みのアレをぶち込む!

 5インチベイ入ってますかーっ!とアントニオ猪木張りにたずねても、肯定的な声はなく「使ってネーよ!」と、ちょっと怒り気味な皆さん。こんにちは、工作野郎の藤山でございます。

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 最近のソフトウェアは、ダウンロード販売が多いので、DVDドライブがなくてもほとんど不便しない。そんなワケでデスクトップマシンの5インチベイは空っぽという人がほとんどだ。

 そこで今回は、空き家となった5インチベイを有効活用する工作をしていこう。PCケースはリンクスインターナショナルから提供いただいた「Corsair 100R Silent」を使用した。

■あら、お手軽! 必要なものはホームセンターで買える!

 5インチベイに入れる箱を作るには、アクリルと呼ばれるプラスチック樹脂を使うのが一番。タミヤのプラ版だと薄すぎて強度が足りないが、3mmのアクリル板なら頑丈に作れる。しかも透明やスモークなどのアクリル板を使うと、スケルトンでカッコイイ!

 さてハードルが高そうに見えるアクリル板の工作。でもじつは木工なみに手軽にはじめられるのだ。工作に必要なものは、すべて近所のホームセンターだ買えるものばかり。

 もしお金に余裕があれば、次に挙げるものもあると便利。穴あけして、ねじ止め用の溝を作る工具だ。

 もし手元にキリがあれば、それで穴をあけてもいい(ただしちょっと時間がかかる)。面倒ならPC内部の5インチベイにテープで固定してもかまわない。どうせケースのカバーをしてしまえば、ネジ止めしてても、テープで止めていても、外からじゃわかりゃしないのだ。売り物じゃないので、手を抜くところは手を抜く! それが趣味の工作だ。

■5インチベイの寸法と部品の切り出し

 5インチベイの寸法は以下のとおり。ただし、この寸法は筆者が採寸したもので、若干の違いがあるかもしれない。仕様では許容誤差などが指定されているが、この寸法で作れば問題ない。

 この図面は、トラックの荷台のように上部が空いたかたちになっている。これは電子工作などを、5インチベイに埋め込むようにするためだ。もしDVDドライブのように四角い箱型にするなら、幅146mm、高さ41mm、奥行き200mmの箱を作ればいい。また奥行きは、電源などにぶつからなければ好きなだけ伸ばしてもかまわない。

 この寸法をもとにアクリル板から切り出す部品に直したものが次の写真だ。

 部品の切り出しは簡単。たいていのアクリル板には、保護用の紙が貼ってあるので、これに鉛筆で下書きをして、線に沿ってアクリルカッターで切るだけ。
 ただアクリルカッターでの切断は、次の2点に注意すること。

・直線しか切れない
・母材の端から端まで切れる(途中で止められない)

 一番頭を使うのは“段ボールのように途中まで切る”ことができない点。後述のとおり切断は母材の端から端まで切れて(折って)しまうので、母材からどう部品を取るかがちょっと難しいのだ。だから1枚の大きなアクリル板から、複数の部品を取る場合は、部品取りの順番や配置をよく考えてからすること。

■アクリルの切り方

 アクリルの切り方は、次のとおりだ。

□(1) 板の表裏に下書きを引く

 必ず裏表に書くこと。なぜならアクリルカッターは、裏と表に傷を入れて、パキン!と追って切断するから。ちょうど板チョコに入っているスジに沿って割るのと同じだ。

□(2) 表面に定規を当て、軽くアクリルカッターを引く

 下書きにはじめて刃を入れるときは、保護用の紙に傷が入る程度の力でアクリルカッターを引く。2回目でようやく紙が切れる程度。

 3回目は刃がアクリルに届き、細いアクリルの削りクズが出る程度にカッターを引く。少しずつカッターに入れる力を強めて、少しずつ傷を深くしていく。

 5回目ぐらいになったら、もう定規を当てなくても、カッターを引くだけで直線が切れるので、繰り返し傷を深くしていく。8~10回も繰り貸したら片面終了。このようにアクリルカッターは、普通のカッターのようにモノを切るのではなく、アクリルを引っかいて傷をつけるの特徴だ。

 繰り返しが面倒だけど、しっかり傷を入れるぶん仕上がりがきれいになるのでガンバレ!

□(3) 裏面も(2)と同様にしてキズを入れる

 アクリルカッターを入れる前に、表と裏の下書きが一致しているかを確かめること。たまに左右(上下)の基準点を間違えて下書きしてしまい、裏表で下書きの位置がズレちゃったりするので……。

□(4) 両面につけた傷を、机の角に合わせて。アクリル版を2枚に割る
□(5) 切断面のでっぱり部分にヤスリがけをして平らにする

 これで切断は終わり。しかし切断面が、凸型になってしまい、このままではうまく接着できない。そこで切断した後は、必ず金ヤスリででっぱり部分を削って平にすること。

■5インチベイにネジで固定する場合はネジ穴作り

 ここは別な工具が必要になるので、5インチベイへの固定はガムテープでオッケー! という人は読み飛ばして大丈夫。

 もしねじ穴をあける場合は、先の設計図の位置に穴をあける。一番簡単なのは、ねじ穴部分を3.5mmのドリルで穴あけして、ネジとナットで止める方法。

 この場合タップと呼ばれる工具は不要になるけれど、ナットで止めるのがちょっと面倒だ。もう少し手間をかけて、ねじ山を切りたい場合は次のようにする。

□(1) 2.5mmの下穴をあける

 大きなホームセンターに行けば、必ず2.5mmの刃がある(2~3mmの間だと0.1mm刻みの刃が売ってるはず)。なければ2.3~2.7mmの刃で代用してもOK。

□(2) M3のタップでねじを切る

 M3というのは、ISOやJISで決められた直径3mmのねじ。5インチベイに固定するときのねじはM3だ。インチネジのタップも売っているが種類が多すぎてワケカカラン!なのでやめたほうがいい。タップは時計回しすると、自然にネジ山が刻まれていく。

□(3) タップで穴あけしたら、ねじ山を壊さないように反対側に回して、タップをねじから抜き取る

 タップは必ず垂直にたてたまま回転し抜き取ること。これを雑にする、せっかく作ったねじ山を壊してしまう。

 これでM3ネジでケースをPCに固定できるようになった。

■癖になるアクリル板の接着! 何これ楽しい~♪

 部品が切り出せたら、今度は接着して組み立てだ。アクリル同士の接着には、必ずアクリル用接着剤を使う。瞬間接着剤やプラモデル用の接着剤は、仕上がりが悪くなるだけでなく、強度が出ないので絶対に使わないこと。

 さて組み立てで重要なのは、垂直出し。底板に対して前面や側面パネルを垂直に立てないと、きれいな箱型が作れない。とくに目測で垂直出しすると、まず垂直にならなくて、5インチベイにうまくはまらなかったりするので注意。

 そこで「垂直の基準」を使う。とはいえ定規の類は不要。使うのはバルクのDVDドライブなど。スマートフォンの入っていた箱なんかも使える。これらを机の上に置いて、DVDドライブや箱の側面を利用して、部品を垂直に配置する。これでパーフェクトな垂直! あとは部品(板)を動かないようにして、注射器に入れた接着剤を数滴流し込んで仮組みする。

 接着剤に使う注射器は、100円ショップでも手に入る。旅行用品や化粧品のコーナーに行くと、化粧品などを小分けするための小瓶に加え、スポイトや注射器も売っているだろう。注射針もセットになっているものもあるし、接着剤に針(医者の注射器と違って、先端が斜めにカットされていない)が付属しているものもある。

 ただ100円ショップの注射器は、ピストンの滑りが悪いので、スムーズに作業するのが難しい。できればホームセンターなどで売っている少しお高い(とはいえ数百円)ものがいい。筆者の経験からすると、ピストンにゴムが使われいるものが滑りが良くて細かな作業向き。また注射器の容量は各種あるが、5cc以下が使いやすい。インフルエンザ用の細い注射器(1cc)も作業しやすいが、軸が溶けやすいというデメリットがある。

 アクリル用の接着剤は、水のようにサラサラ。接着剤のピンに針を入れて、ピストンを引けばツーッっと吸い込む。注射器の半分程度まで吸い込んだら、針を上にして注射器のなかに入っている空気を抜く。針先からピュッ! と接着剤が出てきたところで準備完了だ。

 接着剤を接着面に注射器で流し込むと、毛細管現象で隙間に流れ込んでいく。仮組みで垂直は出ているので、1秒間に1cmぐらいずつ注射器の針を動かしながら、接着剤を全体的に流し込んでいこう。この作業、超気持ちよくてクセになるはず!

 アクリル板をしっかりヤスリがけして、断面が平になって入ればかなりの強度が得られるが、どうしても少しでっぱり状態になってしまうため、ここでは補強を入れよう。それにはアクリルの三角棒を用意する。三角棒には、細いものと太いものがあるが、今回の工作の場合は、二等辺三角形の2編が5mmタイプがいいだろう。

 断面が直角三角定規(2等辺三角形)のかたちをしているので、適当な長さに切断して、先に接着した直角の板の根本に合わせる。三角棒を指で押さえつつ、注射器で接着剤を流し込んで、板に触れている2面を接着する。三角棒を入れるとかなりの強度になるので、数kgのものをなかに設置しても、壊れることもなければ、ゆがむこともない。

 また、接着剤は瞬間的に硬化(アクリル同士を溶かして溶接)するので、数秒も立てばしっかり固定される。だからやり直しが効かない一発勝負なので慎重に接着すること。

■時計や音のレベルメーターを組み込んでPCをドレスアップ!

 5インチベイのケースができたところで、今度はなかに入れるものを工作しよう。比較的に簡単で便利に使えるのは、時計のキットだろう。秋葉原の秋月電子や千石電商で購入してもいいし、Amazonなどで購入してもいい。

 気をつけるのは、全面パネルの幅と高さに収まるようにすること。これさえ守れば、何を入れてもかまわない。すでに完成されているもの入れてもいいだろう。

 今回使ったのは。秋月電子の「多機能デジタル時計キット Ver.3」。ちと7セグと呼ばれる数値表示部は。ケースに収まるサイスだったが、基板が少し大きくて失敗してしまった。ほかにも「PICマイコン多目的タイマー(完成品)」なども使えそうだ。

 アイディアとしては、以下のようなものもおもしろいだろう。

・サウンド用VUメーター
・温度モニター
・PC内電圧モニター
・キースイッチ
・単なる小物入れ

 なお今回は時計なので常時電源をオンにしなければならず、ATX電源を使うことができなかった。時計は9V駆動なので、5Vスタンバイでは駆動できないのだ……。これを見込んで、5Vで動作する時計キットを使い、マザーボードのUSBコネクタから電源を引いてくるのもありだろう。

■次回はHDDやネットのアクセスランプをアナログメーター化!

 今回は時計キットを埋め込んで、次回はもう少しオリジナリティを出して、各種アクセスランプをアナログメーター化して、5インチベイに組み込んでみよう!

 LEDがチカチカするだけじゃおもしろくないので、車のタコメーターのように激しくアクセスするとメーターがグングン上がり、アクセスがなくなるとヒュー!と針が下がるというものだ。

 次回はさらに5インチベイを2連で使う工作もやってみたい。乞うご期待! PC Watch,藤山 哲人

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