韓国・日本の10代が使ってる「日韓ミックス言語」を知ってますか【アイドル総合】

[AdSense2]

引用元:現代ビジネス
韓国・日本の10代が使ってる「日韓ミックス言語」を知ってますか

 2020年1月22日、日本テレビの情報エンターテインメント番組「ZIP!」で、ちょっとした異変が起こった。「10代が予想する今年の流行語大賞」というコーナーで「チンチャそれな」という聞きなれないフレーズがノミネートされたのだ。

中国人観光客が、日本の電車・バスに「感動している」意外なワケ

 番組内でも紹介されたが、この「チンチャそれな」は、韓国語で「本当」を意味する「チンチャ(진짜)」と、2010年代以降「そうそう」という意味で若年層を中心に使用されている「それな」が合わさった言葉で、元々はコメディアン、スクールゾーンの橋本稜さんが2019年後半にSNSに投稿したネタに端を発している。

 橋本さんはその他にも「韓国好き女子あるある」シリーズのネタを多数発表しており、いずれも中高生を中心とした若者の間で共感を持って受け入れられている。その人気が今回のノミネートに繋がったと言える。

 また、2019年6月25日には、大阪に本社を置く朝日放送テレビの「おはようコールABC」で、韓国のアイドルグループIZ*ONEの日本人メンバーである宮脇咲良さんの口癖である「やばいンデ」が紹介された。もはやすっかり市民権を得た若者言葉「やばい」と「~なんだけど」という意味の韓国語「~ンデ(ㄴ데)」の合成語だ。

 このように日本語と韓国語が融合して生まれた新しい言葉を、私はある種の愛情を込めて「日韓ピジン」と呼んでいる。

「ピジン」「クレオール」って何?

 「ピジン」というのは、異なった言語を持つ者同士が意思疎通を試みる過程で生み出されるミックス言語のことだ。ピジンでは双方間の語彙の借用が盛んに行われる。さらに単数と複数の区別、変則的な格変化、細分化された時制などの複雑な文法事項は簡略化され、発音も単純化される傾向がある。

 列強が世界各地に植民地を持った時代(主に19~20世紀)には、支配する側の宗主国の言語と、支配される側の現地住民の言語が混ざり合い、世界中で多くのピジンが誕生した。日本語と他言語とのピジンの例もある。開港期の横浜で貿易商を中心に使用された「横浜ピジン日本語」や、満州国において使用された日本語の変種である「協和語」などがそうだ。

 ピジンが次の世代にまで継承され、それを母語とする者が現れると「クレオール」と呼ばれるようになる。

 私たちが日本語と認識している言語も、時代を遡れば古くは大陸から多くの漢語を、また近代に入ってからは欧米から多くの外来語を取り入れ、それを日本語の中に消化させてきた。そういう意味では日本語自体、巨大なクレオール言語と言えるかもしれない。

 さて、それが今回は日本語と韓国語の間で起ころうとしているわけだ。もちろん、日本語全体からすればまだ微々たるサンプル数ではあるが、今までとは明らかに異なる風が吹き始めたのは確かであり、日本語と韓国語の関係史において、新しい時代が到来したことを告げる非常に象徴的な出来事ではないかと思っている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました