太陽の塔「世界遺産への第一歩」「未来輝かせて」【アイドル総合】

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引用元:産経新聞
太陽の塔「世界遺産への第一歩」「未来輝かせて」

 今月で開幕から50年を迎えた1970(昭和45)年大阪万博のシンボル的存在で、今も日本万国博覧会記念公園(大阪府吹田市)に立つ「太陽の塔」が19日、国の文化審議会で、国登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学相に答申され、関係者は「半世紀、地元で愛されてきた証し」と喜んだ。登録に必要な要件の「築50年以上」を満たしてすぐの答申は珍しいといい、専門家らからは「世界遺産登録への流れができた」との声もあがった。

 芸術家、岡本太郎がデザインした太陽の塔は高さ約70メートル。万博のテーマ館の大屋根を貫くように設置され、「人間の尊厳と無限の進歩、発展」を表現している。内部には生命の進化過程を表した高さ約41メートルのオブジェ「生命の樹」があり、万博後は原則非公開だったが、府が平成28年10月から総工費約18億円をかけて改修。30年3月から再び一般公開されている。

 「50年を経て改めて価値が認められ感激した」と語るのは、小学生のころに万博会場に10回以上足を運んだという大阪市住之江区の会社員、藤井秀雄さん(61)。「太陽の塔はアイドルのような存在だった」と振り返る。

 太陽の塔は万博閉幕から数年後、維持費などの問題で取り壊される計画が浮上。高校生になっていた藤井さんは、「僕らの夢を壊さないで」と訴える手紙を日本万国博覧会協会に投書した。

 署名活動など、撤去反対の機運が高まった結果、塔は保存されることが決定。その喜びは今も忘れられないといい、「これからも人々の心の支えとなり、夢や希望の象徴として輝き続けてほしい」と願う。

 有形文化財登録を「万博のシンボルとして半世紀もの間、地元の人に愛されてきた証し」と話すのは、「万博博士」として知られる大阪府池田市の白井達郎さん(65)だ。1万点以上の万博グッズを収集するコレクターで、今も週に1度は太陽の塔を訪れている。

 2025年大阪・関西万博の開催が決まった平成30年、大阪府知事だった松井一郎・大阪市長は、太陽の塔の世界遺産登録を目指す考えを示していた。白井さんも「国の登録有形文化財としてお墨付きを得た今、次は世界遺産登録という新たな夢が広がる」と期待する。

 国の登録有形文化財(建造物)には築50年を経過した歴史的建造物のうち一定の評価を得たものが登録される。大阪府教育庁文化財保護課によると、築50年経ってすぐに登録された事例は珍しいという。

 国立民族学博物館の吉田憲司館長は太陽の塔について、「岡本太郎の批判精神も込められた斬新なデザインが評価されたのでは」と指摘。「万博の遺構として現存するのは『鉄鋼館』と太陽の塔のみで、数十年後には世界遺産に登録される可能性もある。有形文化財への登録は当然の流れだと思う」と話している。(吉国在)

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