読売新聞の独自戦略“新聞withデジタル”

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読売新聞の独自戦略“新聞withデジタル”

 読売新聞が2019年2月から「読売新聞オンライン」という新たなデジタルサービスを開始したことは昨年のこの特集で報告した。それから約1年、読売新聞にとっては新たな取り組みであるこのサービスがどう推移しているのか。まずはその報告から始めよう。
 デジタル化については新聞各社が取り組んでいるが、読売新聞の場合は、紙にも大きな軸足を置き、紙の読者であることを読売新聞オンラインの全サービスが利用できる「読者会員」の条件にするという独特のシステムだ。それまで「ヨミウリ・オンライン」という無料のウェブサイトと、「読売プレミアム」という読者限定の有料サイトがあったが、その2つを統合したのが「読売新聞オンライン」で、「新聞とデジタルが、手を組んだ。」というキャッチコピーでスタートした。
 メディア局オンライン部の菅谷一弘部長に、まずこの1年間、組織上の再編などがあったのかという点から話を聞いた。
「昨年、読売新聞オンラインをスタートさせるにあたって、統括部署としてメディア局にオンライン部が新設されたのですが、コンテンツの運用については、メディア局編集部と編集局配信部に分かれていました。それを昨年4月に一本化し、編集局に統合しました。紙の新聞もオンラインも記事コンテンツについては編集局が運用、配信を行い、メディア局は、引き続き分析やマーケティングを行っていく。両者が連携しながら一緒にやっていくということです」
 読売新聞オンラインの会員数などはどう推移してきたのか。
「読売新聞の購読者である読者会員と、誰でも登録すればアクセスできる一般会員とに分かれているのですが、読者会員は2019年末時点で87万人を超えました。スタートしておよそ1カ月半で50万人を突破しましたから、ぺースとしてはかなり速かったと思います。
 デジタルサービスの利用者は一般的には紙の新聞読者より若い人が多いと言われますが、読売新聞オンラインは読売新聞800万部の読者がベースですから、新聞をとっている比較的高齢の方も会員になっているのが特徴です。ボリュームゾーンは50~60代ですね。男女比は男性65%、女性35%です。
 読者会員登録用のIDを読売新聞の販売店が1軒1軒届けるというやり方も独特で、その招待状を受け取った方が登録しましたので、デジタルに縁遠かった高齢者も登録することにつながったのだと思います。
 読者会員登録のきっかけは何でしたかという質問に対しては、招待状が届いたからという答えが多く、次に新聞記事で紹介されていたから、というのが多かったです。登録の理由については、新聞の購読料のみで追加料金なしだから、というのが圧倒的に多かったですね。次が、読売新聞の新しいサービスだからというものでした。
 速報ニュースなどは登録しなくても読めるのですが、鍵がかかっていて読者会員しか読めない記事も多い。それを読むにはまず読売新聞を購読しないといけないのですが、このコンテンツが読めるのなら購読しようと思ってくれる方もいます」(菅谷部長)

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