【箱根への道】東洋大・西山「誰が来ても負けない」史上初1区3年連続区間賞で伝説作る

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引用元:スポーツ報知
【箱根への道】東洋大・西山「誰が来ても負けない」史上初1区3年連続区間賞で伝説作る

◆東洋大 前回3位(18年連続78回目)出雲3位 全日本5位

 東洋大のカギを握るのは1区・西山和弥(3年)のロケットスタート。前回は大迫傑(早大)以来となる2年連続の1区区間賞を獲得し、3年連続なら史上初の快挙だ。実力を発揮できなかった今季の出雲駅伝と全日本大学駅伝の悔しさも糧に、6年ぶりの総合優勝へ導く。

 3年連続で1区にエントリーされた西山は「箱根駅伝の1区だけは譲れない思いがある。誰が来ても、負けるわけにはいかない」と強い決意を口にした。大エース・相沢晃(4年)を擁する優勝候補の浮沈を握るスターターは、この男しかいない。

 前回の箱根路で区間賞を獲得した後は、けがに苦しんだ。1月下旬にウェートトレーニングで右恥骨を剥離骨折。「痛みがあるならまだ良かったけど、力が入らない状況が続いた。左足だけで走っている感覚」とフォームのバランスが崩れ、持ち前の安定感に陰りが見えた。今夏のユニバーシアード(イタリア・ナポリ)では1万メートルで8位入賞。結果を残した反面、「(ユニバ)代表に運良く決まって、休むに休めない状況になってしまった」と長期不調の原因にもなっていた。

 苦しみながら挑んだ駅伝シーズンは出雲1区10位、全日本5区11位と不完全燃焼だった。だが「(全日本で)今西(駿介、4年)さんから久しぶりに汗のしみこんだタスキを受け取って、初心に戻れた。駅伝はやはり、一本のタスキに思いを込めて運ぶんだ、と。積み重ねの大事さに気づいた」。箱根ではスターターとしてタスキを渡すことが使命となっており、忘れていた感覚だった。タスキを受け取ってつなぎ、チームで戦うことを思い出した。もう焦りはなかった。

 右足はまだ完全には力が入らないが、チームに貢献するためフォーム改善に着手。「本来の動きに戻そうと思っても難しい。(右足が)使えないなら、今の体で可能なフォームに作り替えないといけない」と箱根仕様に整えた。酒井俊幸監督(43)は「地道なトレーニングをしながら、ようやく本調子に戻ってきた。やはり、西山が1区で本来の走りをすれば往路3連覇はいけるんじゃないかと思う」と期待を込めた。11年連続3位以内という圧倒的な勝負強さを誇る鉄紺軍団を、西山が頂点に導く。(太田 涼)

 ◆西山 和弥(にしやま・かずや)1998年11月5日、群馬・伊勢崎市生まれ。21歳。東農大二高を経て2017年に東洋大進学。1年時の出雲駅伝で学生3大駅伝デビューを飾り1区5位。自己記録は5000メートル13分46秒95、1万メートル28分35秒72。乃木坂46のファン。167センチ、53キロ。

 ◆東洋大 1927年創部。箱根駅伝には33年に初出場。2009年に初制覇するまで歴代優勝チームで最も長い76年を要した。優勝4回(09、10、12、14年)。出雲駅伝は優勝1回(11年)。全日本大学駅伝は優勝1回(15年)。タスキの色は鉄紺。長距離部員は選手50人、学生スタッフ5人。主な陸上部OBはタレントの植木等さん、100メートル前日本記録保持者の桐生祥秀、「2代目・山の神」柏原竜二さんら。

 ◆戦力分析 大エースの相沢を2区に配置する意味は大きい。復調気配の西山の快走があれば序盤から主導権を握りやすく、往路3連覇はグッと近づく。駅伝巧者の吉川も3区で起用できる算段がついた。攻めの走りで「5強」から頭一つ抜け出すチャンスが広がる。

 5区には2年連続で安定した走りを見せた田中ではなく、急成長の宮下を登録。酒井監督は「田中の想像できるタイムより、宮下の伸び率に期待したい」と明かす。6区の今西も3度目の山下りで好記録が望めるだけに、山を制して一気に勝負をつける可能性は十分だ。 報知新聞社

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