元NMB48門脇佳奈子が振り返る、YouTuberとしての1年間と吉田朱里に学んだこと

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元NMB48門脇佳奈子が振り返る、YouTuberとしての1年間と吉田朱里に学んだこと

 元NMB48・門脇佳奈子の立ち上げたYouTubeチャンネルが、10月26日に1周年を迎えた。同チャンネルは、グループ在籍時から趣味だと公言していた釣りの動画や、食べる姿が“美味しそう”と話題の食事系動画、女性登録者向けのメイク・コスメ動画、最近では台湾旅行のVLOGが人気を博すなど、さまざまな動画を日々発信している。

【写真】吉田朱里とは「YouTubeの話しかしない」と語る門脇佳奈子

 リアルサウンドテックでは、チャンネルの1周年を記念して門脇にインタビュー。立ち上げの経緯や苦労したこと、先んじて個人でのYouTuber活動を始めていた吉田朱里に学んだことなどを含め、彼女のパーソナリティに迫った。(編集部)

「最初の動画は2~3週間かかった」

ーーまずは、YouTubeを始めたきっかけから教えてください。

門脇:YouTuberとして活動を始めたいというのは、ずっと心のどこかで思っていたんです。でも、YouTuberは撮影から編集まで全て1人なのでハードルが高いなと思いつつ、いろいろと考えていた期間が半年ぐらいありました。私、タレントの活動が、バラエティ番組でのMCのアシスタントがすごく多くて。立ち位置的にしっかりしないといけないし、前に行き過ぎず、基本的には台本を読むだけ、という感じで。そんななかで、「自分のしたいことが本当にやれているのかな……」と考えたときに、やっぱり1番近いのがYouTubeだと思ったんです。自分のチャンネルなのでやりたいことが全部できると思って始めて、しがらみからも解き放たれました。

ーーもともとYouTubeは、いち視聴者として見ていたんですか?

門脇:そうですね。暇つぶしにも見ていましたし、NMB48で同期の吉田朱里がYouTuberとして活動しているのもチェックしていました。大変なのにこんなに楽しそうに、しかもどんどん動画を上げていて「すごいなー」と。

ーー吉田さん以外に好きなYouTuberはいますか?

門脇:あさぎーにょさんは、同じ関西人ですごく親近感が湧きますね。アーティストとしても活動されていますし、いろんなジャンルに挑戦していてすごいなと思います。ほかには、食べる系のロシアン佐藤さん、釣りが趣味で魚を捌いたりもするので、勉強にきまぐれクックさんを見たり。私も食べる系の動画を出しているので、どういったものがみんな見たいのかなと、参考にしています。

ーー初めての動画が2018年10月、「釣った魚で漬け丼を作って食べる」という企画でした。やはり、最初は趣味の釣りということで。

門脇:YouTubeを始めたら、無理やりにでも釣りのスケジュールを作ってくれるかなと(笑)。でも、自然を相手にすることでもあるので、雨だったり、晴れていても風が強かったらダメとか、釣りだけだと動画の本数が少なくなってしまって。更新を待ってくださっている方がいるので申し訳ないなと思って、釣り以外のことも始めたら、まさかのそっちの方が好評やったという(笑)。今は、釣りチャンネルは別にして、自分の好きなこと、やってみたかったことを上げていますね。

ーー動画は自分で編集しているわけですよね。

門脇:どうせやるなら全部自分でしたいなと思って始めました。それまでパソコンも触ったことがなかったですし、「編集って何? テロップって何? 音って何? カットインって何?」と、ゼロからのスタートだったんです(笑)。事務所にも入っていますし、手伝ってくれる方はいるんですけど、企画から編集までを自分でやって、「門脇佳奈子チャンネル」の反応を受け取った時の方が、今後もやる気に繋がるんじゃないかと思って、事務所にもそう伝えました。

ーー最初の「漬け丼」の動画からきちんと編集されている印象で、それまでパソコンも触ったことがなかったというのは驚きです。

門脇:あの1本だけで、たしか2~3週間かかりました。例えば、食べるだけのYouTubeだと動画を回しても30、40分なんですけど、釣りとなるといつ釣れるか分からないし、ずっとカメラを回しておかなきゃいけないしで、2~3時間録画しているんですよ。

ーー膨大な量の素材が……。

門脇:そうなんです。それを10分の動画にするって、今考えると「なんでそんなハードル高いところから始めたんやろう……」と思うんですけど(笑)。何も分からないので、釣れてないとこを全部カットするところから始めましたね。今はもっとスピーディに編集もできますし、やっぱり手間はかかりますけど、釣りの動画を上げるとみなさんが喜んでくださっているのがコメントからも直に分かるので。それは今までの仕事の中でもトップクラスにテンションが上がる瞬間で、「自分の作ったものでよろこんでもらえた!」と手ごたえを感じました。

ーー責任感もあるし、それだけ手応えがあった時の反響は大きいけど、ダメだった時はへこむと。

門脇:へこみますね(笑)。全部数字に出るので、よくも悪くも。

ーー試行錯誤の中には失敗からの学びというのもあると思うんですけど、今年7月に上げたペヤングの大食い企画では、音声が録れていなかったという事故もありましたね。

門脇:これは練りに練った動画というわけではなく、ペヤングの「超超超大盛りGIGAMAX」(※通常のペヤングの4人前)が一時期SNSにすごい上がっていて、カップ麺の中でもペヤングが1番好きなので「あれ? 食べられるんじゃない?」と思って、次の日に撮った動画なんですよ。なので、まさかあんなに再生回数が行くなんて想像していませんでした。1回目まさかの音声トラブルで、かといって動画をお蔵入りにするのもちょっと悔しいので、撮り直しで急遽企画を変更して、次の日にもう1回食べたりして。動画の出し方を変えるのが大変だったんですけど、本当に2つ食べたんだということでチャンネル登録者数がまた増えたり。食べているのを見るのが好き、美味しそうに食べるね、と言ってくださる方もすごい多いです。食べているだけの動画でも、動画として見るのがつらいかもと思ったら撮影中に企画を変えたりしています。

ーーその場でパッと判断して臨機応変にできるのはさすがです。

門脇:編集で変えてしまうところもありますし、それはたぶんYouTubeしかできないことだと思っています。台本もないですからね。

ーー自分で企画、編集をやっているからこそですよね。

門脇:そうなんです。今までだったらテレビに出るだけやったけど、それ以外の見えないところでこんなに大変なことをしてたんだと、すごい勉強になります。今、テレビを見ていると、このタイミングでテロップを出すのかとか、こういうカット編集の仕方あるんやとか、そういう目で見られるようになったので(笑)。

ーー裏方の動きをよく見るようになった。

門脇:そうですね。照明ここから当てるんやみたいな(笑)。照明はすごい難しいと吉田朱里とも言ってたんですけど。この間、テレビの収録に行った時も、あっちから当ててたねと話していました。

ーーもともとNMB48として活動していたからこそ感じる視点かもしれないですね。

門脇:NMB48に入ってなかったらこの仕事もしてないですし、NMB48の時のファンの方もついてきてくださっているのが嬉しいです。引き続き見ていただきたいんですけど、とはいえ、もっと別の層の方からも見ていただきたいので、そのバランスがすごい難しいんです。NMB48時代からのファンの方は何をしても応援してくださるので、私が好きなことに挑戦しやすいですし、新たに私を知ってくれた方は「こんなお酒を飲むのに、アイドルグループをやっていたんだ」と興味を持ってくださる方もいるので、さらに世界が広がって充実した活動を送れていますね。

「吉田朱里とはYouTubeの話しかしない」

ーー新しいファンというと、どういった層から反響があるんですか?

門脇:今までは10代から20代ぐらいの女性、男性の30、40、50代の方が多かったんですけど、女性の30代、40代とかお母さん世代の方がすごく増えましたね。旅行に行くような層が台湾の動画をきっかけに見てくださったのかな。あとは、コメント欄に台湾の方がすごく増えました。始めた当初は海外の方に見ていただけるなんて全く思っていなかったので、びっくりしました。

ーー台湾の方たちは自分たちのことを紹介されて嬉しいんでしょうね。

門脇:台湾の動画はVLOGとして初めて上げたんですけど好評です。台湾の食にも興味があって、屋台や夜市が流行っているということで弾丸で行くことにしました。もともと1本か2本の動画にするつもりだったんですけど、台湾に行ってからその場でいろいろ見つけちゃって。結果、3本に分けるボリュームたっぷりな動画になりましたね。そこから、再生回数もチャンネル登録者数もグッと伸びたんです。旅行も食べることも好きなので、みんなが興味はあるけどなかなか行けないようなところに行って、YouTubeの旅雑誌的な、私のチャンネルを見てみなさんが手軽に旅行に行きたくなるような動画にしたいです。

ーー台湾の動画の中では、吉田さんからカメラを借りる、というくだりもありましたね。吉田さんとは、「お魚サラダ」や「たこ焼きパーティー」といったコラボ動画も出していますが、YouTuberの先輩でもある吉田さんから刺激を受けることも多いですか?

門脇:編集してから動画をアップするまでの段取りをよくするために、撮影の段階から準備していたりして、すごく勉強になりますね。プライベートでもよくご飯に行くんですけど、基本YouTubeの話しかしなくて。お互い自分で編集しているので、どんな編集の仕方してる、どんなところに気をつけてる、というのは、私がYouTubeを始める前からずっと教えてもらっていました。そういった存在が身近にいるのは、すごくありがたいです。カメラのことも、吉田朱里が使ってた小型カメラを見て「いいなー! それ、使い方簡単?」って聞いたら、全部手取り足取り教えてくれて。「あれやったら、台湾持っていき!」と言ってくれたので、台湾に持って行ったんです。

ーー動画を企画する上で、女性向けの動画を作るか、男性向けの動画を作るかは重要なポイントだと思います。吉田さんだったら女性に向けたコスメ動画が多いですよね。そういった視点は考えたりしていますか?

門脇:YouTuberを始めた当初は男性のファンの方が6~7割を占めていました。でも、私がやりたいことを続けてどれぐらいの層が見てくれるのかというのを見たい気持ちもあって。お酒とか食のことをアップするたびに女性の方もだんだん増えていって、今となってはほぼ半々といった感じなんです。偏らずにバランスよく男性の方にも、女性の方にも楽しんでもらえるチャンネルに今後していけるのかなというのは、続けていく中で思いました。私も迷っていた部分はあったんですけど、好きなことを心置きなくできるのがYouTubeの醍醐味なので。今後もお酒を飲むことも、食べることもやめないですし、私がちょっとでも興味あることをどんどんやっていったらいろんな方が興味持ってくださるのかなと思っています。

ーー1年間余り、YouTuberを続けて見えたポリシーですね。先ほど、最初の動画は上げるまでに2~3週間かかったと言っていましたが、編集技術はどこまで上達しましたか?

門脇:だいぶ早くなりましたね。撮影から動画アップまで、集中してやって5、6時間でできるようになりました。マクドナルドの月見バーガーを食べた時の動画は商品が期間限定でしたし、とにかく1日でも早くと思って撮影後からすぐ編集を始めて、夜通しでやったんですけど、本気になればこのぐらいでできるんだと。再生回数も少し伸びたりして、期間限定とかそういうのも跳ねるんだなと学びましたね。

ーートレンドに乗った方が再生回数も伸びますよね。

門脇:どれだけ編集を早くしてアップするか。でも、早い方はもっと早いので、まだまだ勉強は必要です。私なりにいろいろとアレンジを加えながら、みなさんが気になったものをスピーディーにあげられるようにしたいと思っています。

ーーこの1年のYouTuber活動で、1番嬉しかったのはどんなことですか?

門脇:まさかこんなに早く登録者数が2万人を超えるとは思っていなかったです。動画をアップしてコメントをくださるという、このやりとりがすごく嬉しくて。学生さんからお父さん、お母さん世代、それこそ海外の方からコメントをいただくこともあって、そこで手軽にやりとりできるというのが本当に楽しくて。動画作りをする上でファンの方とやりとりをして、それをまた動画に反映してという流れがモチベーションになります。

ーー中には辛辣なコメントもあるかもしれませんが、そういったコメントも飲み込んだ上で次の動画に生かすということは、YouTuberにとっては大事なコミュニケーションですよね。

門脇:どんな内容でも、わざわざ私の動画にコメントを書いてくださるという、時間を割いてくださることが嬉しいです。最初から最後まで見て、細かく教えてくださったり、私ならできないので。もちろんコメントの中には、悪いコメントもあるんですけど、それが思っていたよりも少なくて。コメント欄にも「低評価、少な過ぎ」とあるぐらいに。私のチャンネルに対してすごく愛を感じますし、編集がつらい時とかにもコメントを見て頑張ろうと思えます。悪いコメントがあったらあったで、ここが気になると1人が言ってくれているということは、まだ何人か気になる人がいるのか、じゃあ次こうしようと思えるので。コメントをしてくれる視聴者の方がいないと、YouTuberを続けていくのはしんどいなと思います。

「2年目はまた1つ、勝負の1年」

ーー今後に向けての展望は考えていますか?

門脇:すごい勢いで登録者数がグッと伸びてきたので、気軽に動画を出しにくいかも……とも思ったんですけど、旅雑誌を意識したVLOG、食べる動画は変わらずに上げていきたいです。「食」って切っても切れない関係なので、みんなが気になっているものを紹介していって、ファンの方と密にやり取りできるようなチャンネルにしていきたいです。釣りチャンネルでは、釣りに興味のあるけど始め方が分からないという女性や男性の方、もともと釣りを楽しんでいる方、どちらにも見ていただけるチャンネルにしていきたいと思っています。釣った魚を使った料理動画も出していけたらいいですね。

ーー個人的には動画に登場するマネージャーさんとのやりとりが好きです。

門脇:マネージャーさんってよく言われるんですけど、実はマネージャーさんじゃないんですよ。今まで明かしてこなかったんですけど、実は13歳の頃からお世話になっているスタッフさんにお手伝いいただいているんです。約10年間一緒なので、私の好きなことも嫌いなことも知っていて、カメラを仕事にしていたので、これはぴったりな人材を見つけたぞと思ってスカウトさせていただきました。フレンドリーな感じの方がYouTubeにはあっているなと思いますし、やりとりがすごい楽しいとか、同じ関西人なので漫才みたい、テンポがいいといったコメントもたくさんあって。スタッフさん自身も満更でもない感じです(笑)。私よりコメントをチェックしている回数が多いんじゃないかな。

ーーでは、まさにチームでやっている感じなんですね。

門脇:企画自体は自分で考えているんですけど、あの動画の雰囲気作りだったりはそうですね。ほかにも編集に詳しいスタッフさんが周りにいたり、本当に恵まれた環境の中でYouTubeをやれているなと思っています。なので、私のチャンネルでしかできないようなことをプラスしつつ、これからやりたいこともたくさんあるので。

ーーどこから手をつけていこうか、というくらいの。

門脇:やりたいことが溢れ過ぎていて、手のつけようがないというのもあるんですけど。でも、それも自分次第なので。やりたいことをやって成功している方を見て刺激を受けつつ。いろんなジャンルが増えていく中、1年経って自分の居場所、立ち位置をやっと見つけられました。2年目はまた1つ、勝負の1年かなと思っています。 渡辺彰浩

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