13万語超の“ことば”×800超のステージ『もじぴったんアンコール』飽きない娯楽が脳を活性化【アイドル総合】

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13万語超の“ことば”×800超のステージ『もじぴったんアンコール』飽きない娯楽が脳を活性化

ひらがな1文字が記されたもじブロックをマスにはめ込み、2文字以上の“ことば”を作っていくというアイデアを気軽に遊べるパズルゲームとしてまとめあげ、ゲームセンターや複数の家庭用ハード、携帯電話アプリなどで展開し人気を博した本シリーズが、『ことばのパズル もじぴったんアンコール』としてNintendo Switch(TM)で10年ぶりに復活。今回はシリーズ開始から20年近く経っても変わらぬパズルゲームとしての楽しさと、2020年のいまに遊ぶからこそ感じられる新たな魅力を伝えたい。

【写真】『ことばのパズル もじぴったんアンコール』プレイ画面

文 / マンモス丸谷

◆“ことば”を使った多種多様なパズル

さまざまな形態でリリースされてきた『もじぴったん』シリーズだが、パズルゲームとしてのルールは原点のアーケード版からほぼ変わっておらず、今回の『ことばのパズル もじぴったんアンコール』もその点は同じ。ステージによって与えられた“もじブロック”を空白のマスに配置して2文字以上9文字以内の“ことば”を作っていき、クリア条件を満たしていくのが基本的な遊びかたとなっている。
基本ルールがシンプルにまとめられているので、とりあえず遊べるようになるまでのハードルは数多あるパズルゲームのなかでもかなり低め。しかし『もじぴったん』シリーズの各ステージには、1.クリア条件、2.使える文字、3.制限時間の有無、4.ステージ内のギミック、といった要素の組み合わせの妙により、ゲームプレイ時に味わう感覚というかバリエーションはむしろ豊富。たとえば、1のクリア条件が同じ「すべてのマスを埋めろ」であっても、3の制限時間が短く設定されていれば落ちモノパズルのようなアドリブ性が要求され、2に制限(使える“もじブロック”の順番が固定だったり、手持ちの文字が偏っていたり)があればリソースを考えながらの“もじブロック”配置が重要になる。そしてそこに4のような“もじブロック”を置くとマスが上下左右にずれたり回転したりといったギミックも加わることがあるため、ステージによっては数手先のステージがどんな形になっているかを考える必要も出てくる。ルールはシンプルなのにこれだけステージごとに違ったプレイ感覚が味わえるパズルゲームは、かなり珍しいと言っていいだろう。個人的な話になるが、アーケード版でしか『もじぴったん』をやり込んでいなかった自分にとっては、時間制限なしで厳しめのクリア条件(とことんパズルモードの上級ステージや五十音ステージ)を満たすタイプがかなり新鮮で、新しいゲームをプレイしているような感覚が味わえた。

文字を使ったパズルゲームだからこそ成立する連鎖やブロックのつなぎかたが存在するのも大きな魅力。『もじぴったん』シリーズでは3文字以上の“ことば”を作ったとき、そこに複数の“ことば”が含まれていると“連鎖”としてカウントされる。例として挙げると、“いし”と並んでいるブロックのまえに“か”を置くと、“かい”(貝)と“かいし”(開始)の2連鎖が発生し、さらに“し”の後ろに“や”を置いて“かいしや”とすると、“しや”(視野)に加えて“いしゃ”(医者)も判定され、また2連鎖が成立。続けて“い”、“ん”と置けば文字数を伸ばしてスペースを埋めつつ、“しゃい”(謝意)、“しゃいん”(社印)、“かいしゃいん”(会社員)と3連鎖もついてくるといった寸法だ。さらに実際のゲームプレイだと置いた“もじブロック”は1方向だけでなく最大上下左右の4方向に作用するため、狙っていなくても4、5、6以上の連鎖が発生したり、予想していなかった長い“ことば”につながったりすることも少なくない。狙いがハマったときの気持ちよさだけでなく、想定外の連鎖や思いがけない“ことば”の発見がステージクリアに繋がるのも、『もじぴったん』シリーズというパズルゲームだからこそ得られる体験(アドリブが効きやすくステージクリアまでの工程が多種多様)といえる。

◆激増した“ことば”探しと偏った知識(?)の活用が楽しい

家庭用ハードで『もじぴったん』シリーズを初めてプレイする自分にとっては、アーケード版からのボリュームアップにも驚かされた。本作はもともと400ステージが収録されていた『ことばのパズル もじぴったんWii デラックス』がベースになっているため、ただステージクリアを目指すだけでも相当なプレイ時間が担保されているうえ、“ことば”のほうも2020年の現代に合わせて激増。トータル13万語以上を収録という触れ込み自体はWii版と同じではあるのだが、本作の紹介動画に映っているように“れいわ”(令和)や“いんすたばえ”(インスタ映え)といった最新の“ことば”が追加されている。そしてアーケード版と比較するのであれば、“つんでれ”(ツンデレ)、“やんでれ”(ヤンデレ)、“りーまんしよつく”(リーマンショック)のようなひと昔まえに定着した流行語、“もんてねぐろ”(モンテネグロ)とその首都“ポドゴリツァ”のような、当時はまだ存在していなかった国や地名が入っている点も感慨深い。しかもこういった“ことば”は、ワードサーチモードで文字を入力して検索すれば、一度もゲームプレイ中に“もじブロック”でその“ことば”を作っていなくても確認可能。そのためワードサーチで本作に登録されている“ことば”を探すのも一種のゲームプレイ体験となっており、これだけでも十二分に楽しく遊べる(筆者の本作プレイ初日はワードサーチチェックだけで終わった)。もちろんパズルを解くためにも役に立つ機能なので、本作をディープにやり込みたい人にとっては攻略情報としても役に立つ。世界各国の主要都市、日本人に多い苗字、大相撲の横綱、競走馬の名前が実戦で使えるかどうかをワードサーチで確認しておくと、オンライン対戦(後述)での起死回生の一手として使えるはずだ。

バンダイナムコエンターテインメント製のゲームを遊んだことがあるゲーマーにとっては、特定のステージのみで使える同社由来の“ことば”を探し、活用するのも楽しみのひとつ。“まつぴー”(『マッピー』)、“どるあーがのとう”(『ドルアーガの塔』。“どるあーが”だけでも“ことば”として成立)、“げんぺいとうまでん”(『源平討魔伝』)のような旧ナムコの名作アーケードゲームは“ことば”として数多く収録されている。さらにタイトルによってはゲームに登場するキャラクターの名前も登録済み。圧巻なのは『アイドルマスター』シリーズで、アーケードや家庭用ゲーム機で展開された『アイドルマスター』の初期キャラクターはもちろんのこと、派生シリーズの『アイドルマスター シンデレラガールズ』、2018年にサービスがスタートした『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、男性アイドルが主役の『アイドルマスター SideM』といったタイトルのキャラクター名も軒並み“ことば”として登録されている。特定のステージでしか使えない、しかも無理に作らなくてもステージクリアは可能だったりするのだが、通常のゲームプレイでは味わえない達成感(?)は得られるので、ぜひ狙ってみてほしい。

◆遊びの幅を広げる仕様とオンライン対戦

最後にNintendo Switch(TM)でリリースされたからこそ生まれた本作の特色、ネットワーク接続がほぼ前提となったおかげで手軽に楽しめるようになったオンライン対戦の魅力にも触れておきたい。
まずNintendo Switch(TM)の機能を活かした仕様を挙げると、タッチモニターに対応している点が大きい。本作では携帯モードであれば指、もしくはタッチペンで“もじブロック”を置くことが可能になっているため、これまで以上に直感的にゲームをプレイできる。ふだんからゲームに慣れ親しんでいる世代にはあまり恩恵がないかもしれないが、指で直接操作できるという仕様はゲーム機に不慣れな世代の方や、モニターをタッチして操作することが当たりまえになっているであろう小学生低学年~10代にとってはプラスに働くはずだ。

世代を超えて家族が一緒にゲームを体験する手段としては、モニターに繋いで大画面でプレイするのも悪くない。本作は日本語ベースのワードとひらがなさえわかっていればゲームに詳しくなくても何をやっているかはわかるはずなので、誰かひとりがコントローラーを握ってプレイ、ほかの家族は後ろからアドバイスを送ってステージを攻略していくという疑似的な協力プレイも可能。前述のように本作には時間制限のないステージが複数存在し、初心者向けの練習ステージも20種類近く用意されている。このあたりのステージであれば、親子一緒に自宅で遊べるツールとしても活用できるはずだ。

逆に本作をストイックにやり込みたいという人にとっては、オンライン対戦が長く遊べるエンドコンテンツとして機能するだろう。本作の対人戦は1対1で、お互いが交互に“もじブロック”を置いていき、先に指定された枚数のブロックを取る、すべてのマスが埋まった際の枚数を競うといった、試合ごとに設定された勝利条件を満たすことを目的に戦っていく。既存のゲームと比べるとオセロに近いゲーム内容なのだが、ステージの形状が一定ではない(しかもランダムで選ばれる)、盤(ステージ)が回転したりずれたりするギミックがある、通常より2倍、4倍大きいマスが存在する、などの理由でオセロにあるような定石を築くのはかなり難しい作りになっている。

とりあえずプレイを始めてから多くの負けを積み重ねて筆者が理解したのは、同じ『もじぴったん』という枠組みではあっても、シングルプレイと対人戦では“強い行動”が異なるということ。シングルプレイでは長い“ことば”に繋がりそうな文字を優先的に使っていくのが基本的には好手につながっていたが、交互に“もじブロック”を置く対人戦ではこれが致命的な悪手になりかねない。そのためシングルプレイでは敬遠しがちだった“ぬ”や“る”、濁点や半濁点の“もじブロック”をうまく使えると相手と差を作りやすい。……のだが、これもあらゆる状況での最善手とはいえない。例に挙げた使いづらい文字は、自分が置いたあとに一度裏返されると再度自分のものにすることが難しいからだ。

ただし、既存のゲームから流用できる技術が少なく、セオリーが固まっていないからこそ先の読めない展開の試合が楽しめるのもまた事実。発売1ヶ月が経ったゴールデンウィーク明けの現在でも対戦相手には困らない状況なので、いまから購入し参戦しても楽しめるのは間違いない。

シリーズが持ち続けているパズルゲームとしての魅力だけでなく、大幅なボリュームアップにNintendo Switch(TM)向けの仕様も盛り込んだ『ことばのパズル もじぴったんアンコール』。自分はもともとアーケード版のファンであったためゲームとしての面白さに疑いは持っていなかったが、本作を楽しむためのアップデート(多くの“ことば”の追加や対戦要素の充実)が非常に手厚く、思い出補正なしで純粋に新しいゲームとして楽しむことができた。間口が広くなったうえで奥深さも増している、それでいてお手頃価格なゲームとなっているので、少しでも本作に興味を持った人はじっくりとプレイしてほしい。

(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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