1990年代後半から2000年生まれのZ世代は、生粋のデジタルネイティブで、自己表現能力に長けた“新種“である。そんな未来を切り開くエネルギーを秘めた彼らにとっての「クール」は意外にも、“非デジタル“におけるリアルでの在り方だった。
Rude-α米国文化と共に育った沖縄出身の新鋭ラッパー
「公園で知らない奴からフリースタイルを仕掛けられて、その日からラッパーになりました」
Rude-αのキャリアは、正真正銘のストリートから始まった。彼の出身地、沖縄市コザは米国文化が色濃く根付く日本有数のディープな街である。
──「アメリカっぽい出来事は日常茶飯事。聴こえる音楽も琉球民謡かブラックミュージック。オーバーサイズのシャツを着るのも普通。コザには本場のカルチャーがあり、自然に影響を受けてきました」
Rude-αは、若くしてR&Bやファンク、ダンスミュージックなどのレコードを漁り、音楽性を養った。エネルギーがほとばしるビートもあればメロウなサウンドもあり、幅の広さは同年代のアーティストとは一線を画す。しかし、楽曲の多くはリスナー目線で制作されているという。
──「パーソナルなことは、身内な感じがして。僕はより多くの人に共感してもらい、聴き手に寄り添うアーティストでありたい。『Rude-αはHIPHOPじゃない』との声もありますが、それで構わないです。誰にでも思い出の曲ってありますよね? 僕の場合、ORANGE RANGEやAqua Timezがそれで、イントロを聴くと今でも気持ちが高揚します。僕も誰かにとって、そんなアーティストになれたらいいなと」
そんな彼にとって、クールの定義とは何なのだろうか。
──「人の悪口を言わない人、ですかね。あとは、日本人は他人に同調する傾向があるけれど、自分を持っている人が素敵だと思いますし、SNSをやっていない人もカッコいいですね。デジタルな時代だからこそ、アナログな生活を大切にしたい。オフの時期にはWi-Fiを持たないで旅に出たこともあります」
最後に、3月4日にリリースされる新譜『23』について尋ねてみた。
──「良い意味で統一感がなく、様々な想いやインスピレーションを一枚にまとめることができました。USっぽいものもあれば、ポップな作品もあります。ストリートのコアなところではなく、お茶の間に届けたいですね」
Rude-α
沖縄県沖縄市出身。第6回全国高校生ラップ選手権で準優勝。2015年6月、1st EP『098 ORCHESTRA』をリリース。自主企画ライブイベント「TEEDA」を主催し、Creepy Nuts、DATS、吉田凜音などのアーティストと共演。2020年3月4日、1stアルバム『23』をリリース。
Z世代を代表する3人の表現者とは?──Rude-α、COIN PARKING DELIVERY、Taro Imai
引用元:GQ JAPAN
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