コロナに最後の大舞台を奪われても。引退アドゥリスとビルバオの稀有さ。【アイドル総合】

[AdSense2]

引用元:Number Web
コロナに最後の大舞台を奪われても。引退アドゥリスとビルバオの稀有さ。

「アスレーーーーーーーーーーーーーーーーティック!」

「エウプ!」

 お馴染みの掛け声が無人のスタンドに響き渡る。

【秘蔵写真】ヤンチャそうでキレキレな乾に長谷部、可愛い柴崎、中田、俊輔、小野、今はバルセロナでうどん屋の天才石塚…高校サッカー伝説の45人!

「アスレーーーーーーーーーーーーーーーーティック!!」

「エウプ!!」

 ピッチ上では2つの列を作ったチームメートたちが、均等に2メートルの距離を開けて立っている。みな下はジーパン、上はユニフォーム姿。背番号は揃って20で、口にはマスクを着けている。

「アスレーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーティーッィク!! !」

「エウプ!! !」

 その光景を目の当たりにすると、アリツ・アドゥリスは驚きと嬉しさと恥ずかしさが入り混じったような笑顔を浮かべた。

「アラビ! アラバ! アラビン、ボン、バ! アスレティック! アスレティック! ゲウリーア!」

 掛け声に続き、勢いよく流れはじめたイムノのイントロと仲間たちの拍手に包まれながら、彼は妻と2人の娘と共にピッチに足を踏み入れた。

 チームメートや監督、スタッフたちが作った花道に導かれ、向かった先は北側サイドのペナルティースポット。それは彼が現役最後のゴールを決めた場所だった。

股関節の痛みがあまりに悪化。

 この2日前、アドゥリスは現役引退を表明した。

 リーグが中断された3月以降、長らく抱えていた股関節の痛みは「もうどうすることもできない」ほどに悪化していた。

 最終的な決断は、医師から「少なくとも普通に日常生活を過ごす」ため、股関節に器具を埋め込む手術を勧められた時点で下したという。

30代半ばにピークを迎えた異能。

「時が来た。残念ながら、体が限界を訴えている。もう望む形でチームメートの力になることはできない。これがプロ選手の人生。至ってシンプルだ」

 SNSに投稿したメッセージには、ボールを抱える幼い頃の自身の写真が添えられていた。

 アドゥリスは常識を逸脱した選手だった。

 古今東西、遅咲きの選手はたくさん見てきたが、30代半ばにキャリアのピークを迎えた選手は珍しい。

 24歳まで下部リーグでプレーし、27歳で初めて1部での2桁得点を記録した。CLデビュー、代表デビューは共に29歳。得点数の自己ベストは34歳で迎えた2015-16シーズンの公式戦55試合出場36ゴールで、33歳、35歳、36歳のシーズンがそれに続く。

 自身も認めるベストゲームは2015年8月、34歳でプレーしたスーペルコパ・デ・エスパーニャだ。この2試合で彼はバルセロナ相手に計4ゴールを叩き出し、クラブに31年ぶりのタイトルをもたらした。

 スペイン代表として出場した唯一のビッグトーナメントはEURO2016で、この時35歳。同年11月12日のマケドニア戦ではラ・ロハの最年長得点記録となる35歳275日でのゴールを決めている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました