<東京パフォーマンスドール>新年最初のライブは“攻めのセトリ”で完全燃焼!

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<東京パフォーマンスドール>新年最初のライブは“攻めのセトリ”で完全燃焼!

「2020年は毎日TPDの記事を…」

新年早々、ネズミの着ぐるみを着た写真を公開してくれる意識高い系のスマイルインフルエンサーに初夢でそう言われた気がしたので、正月は餅を食べてボーっとするのがルーティーンだったおじさんが、「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とばかりに自らを奮い立たせ、正月からフル稼働するでしょ。

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それは冗談として、お年玉はもらう方じゃなくもう渡す方なのにもかかわらず、“奇跡の6人組”からは毎年お年玉以上にうれしいパフォーマンスのプレゼントをもらいっ放しだ。今回もプライスレスな贈り物を頂いた。

前置きはこれくらいに…というか、全然前置けてもいないのだが、1月2日に東京・台場にて「TOKYO IDOL PROJECT×@ JAMニューイヤープレミアムパーティー2020」が開催され、6人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドール(通称:TPD)が出演。Premium Stage(Zepp Tokyo)で新年初ライブを行った。

クリスマスイベントでのTPDライブが意外と短い尺で終わってしまったので、「あ、あれ? もう終わり…?」と感じた人も少なくないだろうし、それを受けての「対バン」なので半信半疑で見に来た人もいたかもしれない。

ところがどっこい、年末年始も休まずにリハや調整を頑張っていたTPDにそんな心配は必要なかった。

ワンマンかどうかなんて関係ない。初っ端から「ブレーキ? 何それうまいの?」ってくらいの勢いで、雑念をぶっ飛ばしてくれた。

この日は、まずオープニングの鏡開きイベントMCとして、前髪はあってもなくても似合う浜崎香帆が登場。お正月の緩やかな気配でつつがなく鏡開きを終えると、しばらく空いてPremium Stageの3番手としてTPDが入場してくる。

いつもの入場BGMに合わせてTPDホワイトに身を包んだ6人がやってくると、かなり遠めの位置から見ても分かるほど、その時点で気合の色があふれ出ていた。

1曲目は、CDデビュー曲「BRAND NEW STORY」。音楽にのせて実は“年女”なリーダー・高嶋菜七の「明けましておめでとうございます! 東京パフォーマンスドールです! NPP2020楽しんでいきましょう!」という元気のいいあいさつからAメロへ。

大きい会場ながら、各ソロパートを歌うメンバーへのコールもしっかり聴こえてきて、会場がTPDカラーに早くも染まっていくのを感じていると、年末のクリスマスイベントに出られなかった浜崎が、若干緊張しているように見えた鏡開きの時とは打って変わって自信たっぷり、元気いっぱいにあおり&歌を決めていく。

リーダーもインタビューで言っていたが、この曲に関しては“原点回帰”のフレッシュな感じというか、真っすぐな気持ちをぶつけて歌い上げるメンバーたち。

間奏の橘二葉によるソロダンスからの高嶋のヘッドロールも、お正月ならではの「いつもより余計に回しております」的な縁起物感があり、2020年もTPDという名の「初日の出」を見られて良かったな、と納得していると、“オチサビマイスター”浜崎の美しく澄んだ歌声がさえ渡り、1曲目から震えが止まらない。

やっぱりTPDは5人じゃない。足りなかった最後のピース・浜崎の歌声がハマるとこんなにもパワーアップするのか、とあらためて認識させられ、マスクでは隠せないくらいニヤニヤ感動していると、すぐさま強めの瞬間イントロから2ndシングル表題曲「DREAM TRIGGER」をぶっ放され、思わずたじろいだ。

サンタルックのかわいらしいパフォーマンスももちろんいいのだが、この「付いてこられるなら付いてきてみなさいよ!」感だよなあ。対バンと言っても別に勝ち負けを競うわけではないけど、完全に勝ちに来た感じの攻め方…。

F-Projectでいい刺激を受けたからか、橘のダンスにはこれまで以上にキレや艶っぽさがあり、「センターに立つと早く逃げたくなる」と言っていたはずの櫻井紗季の堂々たる中央部でのステージさばきも光っていた。

夏から秋にかけて大きな会場で立て続けに舞台、ミュージカルと経験した経験値が生きているのだろうなという、背景すらはっきりと見て取れた。

絶対王者・高嶋選手はもちろん、「キオスク」仕込みの色気(あくまで上品な)をまとう上西星来、いつも全力投球の浜崎&脇あかりの中トロコンビも息をつく暇さえ与えてくれないほどの仕上がり具合。

個人的には久しぶりに浜崎のアクロバット側転が見られて、これを見られただけでも、正月の家族サービスを放り出して来た甲斐があったというもの。

まあ、そもそもサービスするような家族は特にいないけど。

そんなむなしいボケを考えているのもつかの間、続いて3曲目はこれまた久しぶりに強めのイントロが印象的な「TIME」。そろそろかわいい系の曲にいくのかなと思いきや、トップスピードを持続してきた。

大きな会場だからこそ映えるTPDの羅針盤フォーメーションダンス(仮)も絶妙にマッチし、高嶋&浜崎のTPDが誇るツインディーバによる時間を忘れさせる歌声。

正月から何とぜいたくなひとときを過ごさせてもらっているのかと思っていたら、トドメとばかりに歌い出しのカリスマ・高嶋による「Counting the Seconds」が始まって、早くもノックアウト寸前に。

高嶋がソロパートを歌う中、周りの5人もそれぞれテーマを持って踊っている感じが素晴らしく、表現者とはこうあるべき、が詰まった静と動のパフォーマンスで魅了する6人の姿がそこにはあった。

個人活動を充実させた2019年が決して無駄ではなかったというのは、この曲でのメンバー全員の動きや表情を含めた表現力を見れば明らかだ。

■ MCでは“らしさ”も…!

対バンライブらしく、ここで一旦ブレイクし、MCタイムに。高嶋の「あらためまして、皆さま明けましておめでとうございます。東京パフォーマンスドールです!」から、1人ずつ簡単に自己紹介へ。

「皆さん盛り上がってますか~!?」のあおりも、帰って来た“あおり番長”浜崎のおかげで大いに盛り上がった。

その後、次の曲のために「タオル持ってますか?」と確認するも、寒い時期だけにあまり持ってきていないのか、反応が芳しくなく、どこからともなくメンバーから「コートでもいいですよ!」という謎のフォローが入り、浜崎から慌てて「コートはヤバイやろ」というツッコミが入るなど、新年早々(天然含め)ボケ多めの“6人らしさ”のあるトークを展開。

そしておなじみのタオル振り回しソング「Are you with me??」へ。会場のファンによるタオルパフォーマンスは見られないのかなと思いきや、なんだかんだ言いつつ大量のタオルが会場を埋め尽くしていく。

あらあらアイドルファンの皆さんは優しいし、シャイなんだな~とほほ笑ましく俯瞰で見ていると、続いては出ました「純愛カオス」。

毎回同じようなことを書いている気がするが、いきなりエモいサビから、Aメロ歌い出しの脇の流れに引き込まれてしまってメモを取ることすら忘れてしまうので、今回も「浜崎&高嶋のオチサビがエグい」くらいしか書いていないのだが、もう言葉なんて要らない仕上がりぶり。

ここまで火がついたらもう止められない。むしろ、ここからの3連発がすごかった。

「HEART WAVES」「SURVIVAL!!」「Jumpin’ Up!」ですよ、奥さん。(誰だよ)

一般的なライブなら、そろそろ緩やかな曲を交えてお茶を濁してもおかしくないのに、渇いたおじさんの心を潤して余りあるセットリストをぶちかましてくれるじゃないか。

中トロのきれいなハモリあり、6人そろったギターのジャ~ンあり、いさきのホットなボーカル、ヘドバン前のヒクイドリ…ならぬ脇のキックのキレ、橘の「瞬間移動した?」的な速過ぎて見えないダンスあり、SEIRA様の長い手足を存分に使った優雅な身のこなしあり、気合がハンパじゃない浜崎のボーカルに加えて、浜崎が入ったことによって微妙に歌声を調整してきたディーバ・高嶋のボーカル。

書き始めたらきりがないくらい、濃厚な3曲のノンストッププレイで、夏フェスに来たんだっけ?ってくらい体温が急上昇しているのを感じた。恐らく会場中のファン、そして通りすがりのアイドル好きの方のハートは激しくウエーブしていたはずだ。

もしかするとメンバーもオーバーヒート寸前だったのかもしれない。この後すぐMCに入り、浜崎が「一旦タイム!」と言い、率先して水分補給しに行ったほど。

最後の曲振り前のMCで、高嶋が「最後にもう1曲だけ歌って、みんなと一緒に一つになってから私たち“逃げたい”と思うので…」とトリッキーなことを言い出し、すぐさまメンバーから「逃げないよ!」とツッコミが入るご愛敬はありつつ、「違うアイドルのファンの方もこの時間だけは一つになってね」と呼び掛け、抜群に発音のいいリーダーの「Hey, Girls!」が会場に響き渡り、大歓声とともにラストソングが始まった。

5人Ver.も高嶋ソロVer.も先日聴いたばかりだが、やっぱり浜崎を加えた6人のTPDによるこの楽曲は最強。

高嶋・浜崎の2人が向かい合ってハモる場面とか、完全に泣かせに来ているでしょ…ってくらい、2020年への決意がひしひしとパフォーマンスの端々に感じられたし、会場の「セイ!ヘイ!ウォー!」な盛り上がりもワンマンライブに来ているのかと錯覚するくらい沸いていた。

この大きいハコで、ファン以外の人すらも巻き込んで取り込む力。先日の連載インタビューで、高嶋が2020年のグループの目標を「大きいステージ」と迷いなく書いてくれたが、新年早々大きいステージを熱狂の渦に包みこんでくれた。

1曲目の時の歓声より、最後の歓声が格段に大きくなっていたのも、彼女たちの40分間がどれほど充実していたかが分かる。

対バンだとしてもこの大きいステージで彼女たちのパフォーマンスが見られたのはうれしいが、できることならこんな光景をワンマンライブで何度も見せてほしい。

TPDがトップスピードで駆け抜けるその後ろを付いていけるのなら、全然後ろを振り返ってくれなくてもそれはそれで本望。

とにかく、2020年は1度でも多く、そして少しでも大きなステージで躍動するTPDの姿が見たいものだ。

その代わり毎日記事を書けというのなら、喜んで書きますとも。

(ザテレビジョン・取材・文=蒼野星流)

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