ロードテスト フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア ★★★★★★★☆☆☆

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引用元:AUTOCAR JAPAN
ロードテスト フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア ★★★★★★★☆☆☆

モダンな高級ホテルに宿泊する大多数のひとびとにとって、豪華で、憧れのライフスタイルをもたらすようなモーターホームでも受け入れ難いかもしれない。

【写真】Gカリフォルニアとライバル (22枚)

ところが、1000万円以上のコストをかけた高級キャンピングカーのショーには、多くのファンが集まる。また、フォルクスワーゲンの商用車部門には、今回取り上げるグランドカリフォルニアのようなクルマを企画するプランナーもいる。

もちろん、この手のクルマを製造する主要な自動車メーカーはフォルクスワーゲンだけではない。スタンダードなカリフォルニアのライバル車は、メルセデス・ベンツがVクラスをベースに製作するマルコ・ポーロなどがある。もっとも、それもここ数年の話だが。

とはいえ、そのメルセデスでもこれほど大柄なモデルはラインナップしていない。グランドカリフォルニアの競合車は、キャンピングカー専業のサードパーティが手がけるフルサイズのモーターホームだ。

フォルクスワーゲンは、商用車を生産するポーランドのポズナン工場に特別な製造ラインを設置。トランスポーターやパネルバンのクラフター、キャンピングカーのカリフォルニアと並行して、自社でグランドカリフォルニアを製作している。大手メーカーが自ら手がける本格モーターホーム、そのパフォーマンスや使い勝手、クオリティなどの実力やいかに。 ロードテスト フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア ★★★★★★★☆☆☆ 室内には、大人が横たわれるダブルベッドと、後部の十分な積載スペースが見出せる。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

現行トランスポーターT6ではなく、大柄なクラフターの3代目をベースにしたカリフォルニアの拡大版は、2017年にコンセプトカーのカリフォルニアXXLとして発表された。

そのショーモデルは、2019年に登場したグランドカリフォルニアに極めて近い作りだった。大きく異なるのは、XXLで大きく張り出していたリアエンドが、フラットに仕上げられていることくらいだ。

キャンピングカーの世界では、これはバン・コンバージョン、すなわち改装されたバンと呼ばれる類のものだ。そして残念なことに、オプションの2トーンペイントはそれほど魅力的ではない。

商用車のシャシーにサードパーティのボディを架装したものと異なり、事実上は多少のモディファイと室内の装備変更が施されたクラフターなのだと言える。

多くのモーターホームとは違って、ボディの高さいっぱいの観音開きバックドアとスライド式サイドドアが備わる。室内には、大人が横たわれるダブルベッドと、後部の十分な積載スペースが見出せる。

回転式フロントシートのすぐ後ろにあるスペースは、小さなリビング兼ダイニングだ。さらにキッチンと、カリフォルニアでは初となるバスルームも設置された。

バリエーションはボディサイズ違いで2タイプ。今回の600は全長およそ6mのハイルーフ仕様で、オプションで運転席の上に子供用ダブルベッドを追加することもできる。

ロングホイールベースの680は、ボディ後方に積むダブルベッドもロングになる。しかしロールーフ仕様で、頭上にベッドは載せられない。

いずれも前輪駆動のクラフターをベースにしているが、680には4モーションことパートタイム4WD仕様も設定される。エンジンはフロント横置きで、英国仕様には176psの2.0Lディーゼルと8速ATが搭載される。

ボディ・オン・フレーム構造で、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはビームアクスルにリーフスプリングと負荷感応式ダンパーを組み合わせる。いずれも、このクラスの商用車としては典型的な内容だ。

ベースとなるクラフターには後輪駆動仕様も用意されるが、スペース効率に劣るそれはグランドカリフォルニアに採用されなかった。トレーラーなどの牽引をする機会の多いユーザーには、かなりガッカリさせられる話ではないだろうか。

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