鷲見玲奈アナは「私とは競合しない」…元アイドル・柴田阿弥に学ぶフリーアナとしてのサバイバル術【アイドル総合】

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引用元:スポーツ報知
鷲見玲奈アナは「私とは競合しない」…元アイドル・柴田阿弥に学ぶフリーアナとしてのサバイバル術

 生き馬の目を抜くようなフリーアナウンサー業界で生き残っていくのは、こんな女性かな。そんなことを思わせる元アイドルの言葉の数々だった。

 16日、東京・浜松町の文化放送で行われた上口宏社長の定例会見。この日のゲストとして、清楚(せいそ)なグレーのワンピースを着て登場したのが、4月5日スタートの新番組「Society5.0 香格里拉(シャングリラ)」(日曜・前10時~後1時)のパーソナリティーを務める元SKE48のフリーアナウンサー・柴田阿弥(26)だった。

 上口社長自ら「4月改編の目玉」と明かした新番組の“顔”に抜てきされた元アイドルは、まず「ラジオのレギュラーをいただくのも久しぶりだし、3時間の長い時間をいただいたことにも感謝しています。番組の立ち上げにゼロから参加できることも少ないので感謝です。私自身も、さらにアップデートして“柴田5.0”で頑張っていたきたいと思います」と番組名になぞらえ、決意表明した。

 「あまり原稿を読む感じじゃなく、自分の言葉でしゃべられたらいいなと思ってます。(ラジオは)声だけで届けることができるので、声の調子などを研究しながら、柔らかい感じを出せていけたらなと思います」と目標を明かし、「日曜日の午前中から始まる番組です。ほぼ寝起きくらいの感じからですので、何かしながらでいいですし、のんびりしていてもいいですし、日曜日の感じを出したい。ストレスなく聞ける番組だったら、うれしいなと思っています」と続けた。

 「今回、番組の立ち上げから携われて…。ゼロから作り上げていけるので、ワクワク感の方が強いかな。1人で3時間も任せてもらえるのって、この年代では中々ないことではあるので、私がうまく行かなかったら、他の人も中々、チャンスが回ってこないとか。そもそも他の人にチャンスを取られちゃうんじゃないかなというプレッシャーは実はあります」と集まった約30人の記者を笑わせた。

 世はまさにフリーアナ全盛時代。昨年だけでもTBSから吉田明世アナ(31)、宇垣美里アナ(28)、テレビ朝日から小川彩佳アナ(35)、宇賀なつみアナ(33)ら人気者が次々と退社。フリーに転身した。

 柴田にとって、初の地上波レギュラー番組だったテレビ東京「ウイニング競馬」でMCの前任者だった鷲見玲奈アナ(29)も今月いっぱいで退社。柴田と同じフリーアナ事務所「セント・フォース」入りする。

 そんな「フリー女子アナ戦国時代」とも言える状況。柴田の「他の人にチャンスを取られちゃう―」という言葉に厳しい業界で生き残っていこうという気概を感じたから私も聞いてみた。

 「フリーアナという生存競争の厳しい世界で今後、どうサバイバルしていこうと思っていますか」―。

 トレードマークの大きな目でこちらをじっと見つめた柴田は「まず、いただける仕事に全力で没頭しつつ、チャンスがあればなんでも挑んでみたいなと思います。どうなるかは分からないですけど、どんなことにも向上心を持って、やっていけたらと思っています」と、はきはきと答えた。

 中田有紀(46、元青森放送)、神田愛花(39、元NHK)、川田裕美(36、元読売テレビ)ら多数の局アナ出身者が活躍中の「セント・フォース」だけでも約120人のフリーアナ、タレントがいる。どこか、“飽和状態”とも言えるフリーアナ業界では、数々の人気者が正念場を迎えている。

 昨年4月から古巣・フジテレビ夕方のニュース番組「Live News it!」のメインを務めるカトパンこと加藤綾子アナ(34)も平均視聴率2~4%台と苦戦。トップ争いをする日本テレビ系「news every.」、テレビ朝日系「スーパーJチャンネル」が平均6~8%でトップ争い。TBS系「Nスタ」が猛追する夕方ニュース戦争の中、最下位に甘んじている。

 昨年6月、テレ朝退社直後に異例の形でライバル番組「news23」のキャスターに招かれた小川アナも平均視聴率2~4%台と大苦戦。昨年9月のTBS・佐々木卓社長が定例会見で「(番組として)まだまだ見ていただく水準としてはまったく不十分です」と言い放った時は決して小川アナを名指ししたものではなかったものの、「番組の顔」としての置かれた立場の厳しさを感じ取り、背中を冷たい汗が流れた。

 だからこそ今回、文化放送肝いりの3時間番組の顔となる柴田に聞いてみた。

 「今、局アナからフリーに転身した方が(新たな番組で)視聴率の不振で攻められたりといった厳しい状況があります。そうした世界に身を置くゆえの危機感はありますか」―。

 この質問に「そうですね~」と考え込んだ柴田。その直後に26歳の本音が聞けた。

 「危機感はいつもあるんですけどね。いつ仕事がなくなるか分からないんですけど、自分ができる全力を尽くして、もし仕事がなくなったらしようがないと思っているので。自分が振り返って、後から後悔しなければいいかなと思っています」と、率直に答えてくれた。

 そして、「セント・フォース」で同僚となる鷲見アナへの思いも「セント・フォースに強力なライバルが入ってきたと思ったりしますか」と、少し意地悪な言葉で聞いてみた。

 「年とかもそんなに近くなくて…。鷲見さんは、すごく人気のある方なので、全然、私なんか競合しないと思っています。中々、同じ事務所でもお会いする機会はないんですけど、また、(仕事で)ご一緒できたらと思っています」とニッコリ笑った柴田。そして、「ライバルは、どちらかというと、他のフリーアナの方より(SKEなど)48グループの卒業生に負けたくないなと思って日々、仕事しています。でも、(鷲見アナにも)負けないように頑張ります」と言い切った。

 どうだろう。笑顔で「(鷲見アナとは)競合しないと思っています」と言い切れる自己分析力の高さと冷静さ。確かに、いかにも元アイドルらしい清楚さが魅力の柴田と男性ファンの多いセクシー系(失礼な表現か?)の鷲見アナは「競合しない」と、私も思う。

 この賢ささえあれば、「冬の時代」を迎えつつあるフリーアナ業界でも十分にサバイバルできる。何を「上から目線」で言っているんだと言われてしまうかも知れないが、約5分間のやりとりの間の私の質問に対しての答えの数々に読者の皆さんも質問の意図を的確に把握した上で自分の言葉で答える頭の回転の速さを感じ取ってもらえたと思う。

 わずか10分ほどの受け答えで見せたパーソナリティーとしての素養は本物。4月から全く新しい形のフリーアナ像を見せて欲しい。会見後の写真撮影の際、さすがは元アイドルの笑顔でカメラマンの要求に応え続ける柴田を見ながら、私はそんなことを思っていた。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆柴田 阿弥(しばた・あや) 1993年4月1日、愛知県生まれ。2010年9月、SKE48の4期生オーディションに応募総数5888人の中から選ばれ、10月のコンサートでデビュー。学業専念のため11年2月から活動休止し、高校卒業、金城学院大入学後に活動再開。15年のAKB48選抜総選挙で15位に入り、シングル選抜入りするなど活躍も16年8月、SKEを卒業。同年、セント・フォース所属となり、タレント、キャスター活動を開始。17年にはテレビ東京「ウイニング競馬」の司会を務める。身長154センチ。 報知新聞社

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